東工大数学'20年前期[5]

kを正の整数とし、とおく。
(1) kを用いて表せ。
(2) kを限りなく大きくするとき、数列の極限値Aを求めよ。
(3) (2)の極限値Aに対し、kを限りなく大きくするとき、数列
0ではない値に収束する整数mn ()を求めよ。また、そのときの極限値Bを求めよ。
(4) (2)(3)の極限値ABに対し、kを限りなく大きくするとき、数列
0ではない値に収束する整数pqr ()を求めよ。また、そのときの極限値を求めよ。


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解答 どこから思いつくのだろう、というような目新しい問題ですが、としたときに、0に収束するものにkをかけて0以外の値に収束させ、その極限値を引くとまた0に収束するので、さらにkをかけて、0以外の値に収束させる、という問題です。(1)部分積分法によって計算するだけですが、(2)(1)の漸化式を使って、,・・・ とやって行くと、項の数が増えどんどん複雑化して行くので破滅します。そこで、問題文中の積分の式を利用しよう、ということになりますが、こうして積分に関する不等式を利用してはさみうちに持ち込むパターンは東工大ではよく見られます。

(1)






......[]

(2)

以下、(1)で求めた漸化式を利用して、

とやりたくなるのですが、展望が見えず破滅が待っています。試験場では、この辺で見切らないと時間が無くなります。(1)で求めた漸化式をそのまま適用するのでは、極限値が求められそうもないので、他の手がかりを探します。そこで、問題文を読み直すと、 ・・・@ という積分の式が見えてきます。東工大では、はさみうちが頻出なので、はさみうちに持ち込めないか、考えます。
において、のグラフは上に凸で、単調に増加するので、右図から、という不等式ができます。
()をかけて、,従って、
 ・・・A
ここで、

これと、@,Aとから、 ・・・B
のとき、
はさみうちの原理より、 ・・・C
Bの各辺に
kをかけて、のとき、,はさみうちの原理より、
......[]

(3) (1)の結果より、 ・・・D
左辺は、のとき、(2)より、ですが、右辺も、Cより、です。
mnは整数なので、Dにkを一つずつかけていきます。まず、Dにkをかけて、
 ・・・E
右辺は、のとき、,Cより、よって、で、
さらにEに
kをかけます。
 ・・・F
右辺は、のとき、(2)より、
以上より、Fは、のとき、 
(数列の極限を参照)
よって、数列0でない値に収束するmn ()は、,また、 ......[]

(4) (3)の結果より、Fの両辺にを加えると、
()
両辺にkをかけて、右辺を、Dの利用を考え、の形が出てくるように変形します。


 (同じものを加えて引いた)
 (Dを利用して、)
のとき、Cより,また、
よって、 
(数列の極限を参照)
数列0ではない値に収束する整数pqr ()は、,極限値は、 ......[]
注.(3)(4)で、極限値をもつ場合でさらにkをかけてしまうと正の無限大、あるいは負の無限大に発散してしまいます。



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