京大理系数学
'09
年
乙
[2]
平面上の鋭角三角形
の内部
(
辺や頂点は含まない
)
に点
P
をとり、
を
B
,
C
,
P
を通る円の中心、
を
C
,
A
,
P
を通る円の中心、
を
A
,
B
,
P
を通る円の中心とする。このとき
A
,
B
,
C
,
,
,
が同一円周上にあるための必要十分条件は
P
が
の内心に一致することであることを示せ。
解答
十分性:「
P
が
の内心」⇒「
A
,
B
,
C
,
,
,
が同一円周上」
の方はすぐですが、
必要性:「
A
,
B
,
C
,
,
,
が同一円周上」⇒「
P
が
の内心」
がなかなか厄介です。
必要性を示すときに、
P
が内心であることや、
A
,
P
,
が一直線上にあることを前提としないように注意しましょう。
が
の二等分線であることは簡単に言えますが、
P
が
上には存在しないという仮定
(
誤りですが
)
に立って論証するようにします。
また、点
P
のまわりで角を考えると、
,
などとうまく結びつかずに考えにくくなります。
を
B
,
C
,
P
を通る円の中心とする、ということは、
は三角形
BCP
の外心だと言うことです。外心は各辺の垂直二等分線の交点なので、この垂直二等分線との間にできる角を考えるようにします。
A
,
B
,
C
,
,
,
が同一円周上にあるとします
(
この円を
D
とします
)
。
三角形
ABC
の内部の点
P
に対して、
B
,
C
,
P
を通る円の中心
は、
PB
の垂直二等分線と
PC
の垂直二等分線の交点です。
C
,
A
,
P
を通る円の中心
は、
PC
の垂直二等分線と
PA
の垂直二等分線の交点です。
A
,
B
,
P
を通る円の中心
は、
PA
の垂直二等分線と
PB
の垂直二等分線の交点です。
円
D
について、
上に立つ円周角は等しいので、
また、三角形
と三角形
は合同なので、
つまり、
また、
A
、
B
,
P
を通る円について、
PB
の上に立つ中心角
は円周角
の
2
倍です。
つまり、
∴
・・・@
円
D
について、
上に立つ円周角は等しいので、
また、三角形
と三角形
は合同なので、
つまり、
また、
C
,
A
,
P
を通る円について、
PC
の上に立つ中心角
は円周角
の
2
倍です。
つまり、
∴
・・・A
また、三角形
は、
である二等辺三角形なので、
これと、@,Aより、
同様にして、
,
よって、点
P
は三角形
ABC
の内心です。
P
が
の内心だとします。
,
です。
また、
を中心とし、
B
,
C
,
P
を通る円について、
PB
の上に立つ中心角
は円周角
の
2
倍です。
同様に、
PC
の上に立つ中心角
は円周角
の
2
倍です。
三角形の内角の和は
π
なので、
よって、対向する頂角が互いに補角をなすので、四角形
は円に内接する四角形です。
同様にして、四角形
,四角形
も円に内接する四角形です。
3
つの四角形の外接円は、いずれも三角形
ABC
の外接円であって同一の円です。
従って、
A
,
B
,
C
,
,
,
は同一円周上にあります。
以上より、
A
,
B
,
C
,
,
,
が同一円周上にあるための
必要十分条件
は、「
P
が
の内心に一致すること」です。
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