東大物理'08年前期[2]

21のように、電圧を自由に変えられる直流電源とコンデンサーAおよびコンデンサーBを直列につなぎ、コンデンサーAと並列にネオンランプをつなぐ。このネオンランプは図22に示す電圧−電流特性を持ち、端子間にかかる電圧がに達すると点灯する。点灯したネオンランプは、電圧はを下回っても発光を続けるが、電圧がまで下がると消灯する。なお、ネオンランプの電気容量は無視できるものとし、コンデンサーABの電気容量をそれぞれで表す。

T すべてのコンデンサーを放電させた後、電源電圧V0から少しずつ上げていくと、ある電圧でネオンランプが点灯し、その後、消灯した。以下の問に答えよ。ただし、答はを用いて表せ。また、ネオンランプが点灯してから消灯するまでの間、電源電圧は一定であるものとしてよい。
(1) このときの電源電圧を求めよ。
(2) 点灯直前にコンデンサーABに蓄えられていた静電エネルギーをそれぞれとおき、消灯直後にコンデンサーABに蓄えられている静電エネルギーをそれぞれとおく。この間の静電エネルギーの変化およびを求めよ。
(3) 電源は、電源内で負極から正極へ電荷を運ぶことにより、ネオンランプおよびコンデンサーにエネルギーを供給している。また、ネオンランプが点灯してから消灯するまでの間に電源が運んだ電荷の量は、この間にコンデンサーBに新たに蓄えられた電荷の量と等しい。ネオンランプが点灯してから消灯するまでの間に電源が供給したエネルギーを求めよ。
(4) 点灯してから消灯するまでの間にネオンランプから光や熱として失われたエネルギーを求めよ。

U ネオンランプの消灯後、さらに電源電圧Vから少しずつ上げていくと、ある電圧でネオンランプが再び点灯し、その後、消灯した。以下の問に答えよ。
(1) 問Tにおいて、点灯してから消灯するまでの間にネオンランプを通過した電荷の量をQとする。電源電圧Vを超えてに達するまでの間、コンデンサーAにかかる電圧QVを用いて表せ。ただし、この間、ネオンランプに電流が流れることはないため、図21の回路は図23の回路と等価である。また、電荷がコンデンサーを通り抜けることはないため、コンデンサーABに蓄えられている電荷をそれぞれとおけば、コンデンサーAの下側の極板とコンデンサーBの上側の極板をつないだ部分に蓄えられた正味の電荷の量Vによらず一定であり、Qと等しいことを用いてよい。
(2) 点灯時の電源電圧を用いて表せ。

解答 この問題も、作業内容が問題文で指示されているので難しくはありませんが、第1問と同様にボリュームがあるので、処理速度が要求されます。なお、コンデンサーを参照してください。

T(1) 直列接続で、両者に蓄えられる電荷は等しく(合成容量の公式を参照)、点灯したとき、電圧 電圧なので、
......[] ・・・@

(2) 電圧は、点灯直前に,消灯直後になので、
点灯直前の静電エネルギー (静電エネルギーについては、コンデンサーの過渡現象を参照)
消灯直後の静電エネルギー
これより、点灯直前と消灯直後での
静電エネルギーの変化は、
......[]
電圧は、点灯直前に,消灯直後になので、
点灯直前の
静電エネルギー
消灯直後の
静電エネルギー
これより、点灯直前と消灯直後での
静電エネルギーの変化は、


 (@を代入)
......[
]

(3) について、
点灯直前に蓄えている電荷
点灯直後に蓄えている
電荷 ・・・A
電荷の増分は、
問題文にあるように、これが、電源が供給した電荷(が放電した電荷は、の上側の極板からネオンランプを通過しての下側の極板に移り、の方には行かない)で、電源が供給したエネルギーは、@より、
......[]

(4) 点灯してから消灯するまでの間にネオンランプから光や熱として失われたエネルギーは、点灯直前にが持っていた静電エネルギーと電源が供給したエネルギーとの和:から、消灯直後にが持っていた静電エネルギーを引いたものです。(2)(3)の結果を用いて、


......[]
電源から見るとは直列ですが、ネオンランプから見ると並列だと言っているわけです。

U(1) Vの間にコンデンサーBにかかる電圧とします。
キルヒホッフ第2法則より、 ・・・B
に蓄えられている
電荷は、です。より、
 ・・・C
B,Cを連立して解くと、
......[]

(2) 点灯するとき、(1)の結果より、
 ・・・D
問Tにおいて消灯直後にが蓄えている
電荷は、
消灯直後にが蓄えている電荷は、Aより、
従って、コンデンサー
Aの下側の極板とコンデンサーBの上側の極板をつないだ部分に蓄えられた正味の電荷の量Qは、
 ( @)
 (ネオンランプから見るとは並列です)
 Dに代入して、
......[]


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