京大物理'06年前期[2]

次の文を読んで、  には適した式または数値を、{  }からは正しいものを選びその番号を、それぞれの解答欄に記入せよ。
水平な板の上に、図
1のように導体でできた十分に長い2本のレールが間隔Lで平行に置かれている。電気抵抗がの金属棒と、電気抵抗がの金属棒はともに長さがLで、絶縁体の糸でつながれて2本のレールに直交して置かれ、その上を左右に摩擦なく動けるようになっている。2本のレール間には一様な磁束密度B ()の磁界が鉛直上向きにかかっている。金属棒の中心には、おもりと板との摩擦により、左向きに力をかけることができるようになっている。ただし、電気抵抗はとする。また、金属棒以外の導体の電気抵抗、および電流により発生する磁界は無視できるものとする。

(1) 電圧Vの直流電源をレールにつないで金属棒を右向きに動かすためには、{イ @ 端子を端子につなぎ、端子を端子につなぐ, A 端子を端子につなぎ、端子を端子につなぐ}ことが必要である。各端子をこのようにつないで電流を流しても金属棒が動かないようにするためには、大きさ ロ の力をおもりによってかけなければならない。このとき直流電源から流れ出る電流は ハ である。
(2) おもりをはずしておもりによる力が働かないようにすると、金属棒は右向きに動き出し、その速さは次第に増加する。金属棒の速さがuのとき、磁界によって金属棒に生じる起電力の大きさは ニ であり、金属棒に流れる電流の大きさは ホ である。また、金属棒に働く電磁力は ヘ である。金属棒の質量が等しい場合には、これら2つの金属棒の加速度とそれぞれに働く力の関係を考察することにより、両金属棒をつなぐ糸には ト の張力が働いていることがわかる。この金属棒の動く速さはやがて一定の値 チ になり、直流電源から流れ出る電流の大きさは リ となる。
(3) 次に、(1)の場合とは異なるおもりをつけて金属棒に力Fをかけた場合を考える。ただし、力Fは前出の ロ の力よりも小さいものとする。上と同様に結線をして電流を流し、金属棒が動きだし、やがて一定の速さになったとき、その速さは ヌ である。このとき金属棒に働く電磁力が力Fに逆らってする単位時間あたりの仕事 ル である。一方、金属棒で発生するジュール熱の和は単位時間当たり ヲ である。また電源が単位時間あたりにする仕事 ワ である。これらより、の間には カ の関係が成り立つ。

解答 (2)では、最初から糸がぴんと張っていたとして考えることにします。なので、最初にたるんでいたとしても、いずれ、2本の金属棒が同じ速さで動くときには、ぴんと張る状態になります。

(1)() 金属棒が右向きに動き出すと言うことは電磁力が右向きに働くということです。フレミング左手の法則により、電流は金属棒を側から側に向かって流れます。従って、の方がより電位が高く、を接続し、を接続することになります。
A ......[]

() 電流に働く (右向き)
電流に働く (右向き)
おもりによってかける力の大きさは、合力に等しく、
......[]

() このときの直流電源から流れ出る電流は、
......[]

(2)() 金属棒の速さuのときの起電力は、 ......[] (フレミング右手の法則より、起電力の向きは、側から側に向かって電流を流す向き)

() 直流電源と金属棒を回る閉回路において、起電力は直流電源Vとこれと逆向きので、金属棒を流れる電流とすると、キルヒホッフ第2法則により、
......[] (題意より、金属棒には右向きにが働くので、金属棒には側から側に向かって電流が流れ、,従って、であって、電流の大きさはになります)

() 金属棒に働く電磁力は、
......[]

()  直流電源と金属棒を回る閉回路において、起電力は直流電源Vとこれと逆向きので、金属棒を流れる電流とすると、キルヒホッフ第2法則により、
 ・・・@
金属棒に働く
電磁力は、
これと()の結果を見比べると、より、です。右側のに働くの方が大きいので、糸はぴんと張ったままになり張力が働きます。糸がぴんと張っていれば、は一体となって動くので、両者は同じ加速度で動くことになります。
糸の
張力の大きさをTとすると、金属棒に働く力は、右向きの,糸の張力T (右向き),金属棒に働くは、右向きの,糸の張力T (左向き)です。
金属棒
質量m加速度aとして、
金属棒
運動方程式 ・・・A
金属棒運動方程式 ・・・B
A,Bより、
......[]

() 金属棒の速さが一定の値になるとき、
Aより、
......[]

() ()が成立するとき、()の結果と@より、
従って、直流電源から流れ出る電流の大きさは、0 ......[]

(3)() 金属棒からなる系に働くは、電磁力 (右向き)と、おもりによF (左向き)です。
金属棒が一定の速さで運動するので、力のつり合いより、
よって、両金属棒の速さuとすると、()の結果などにより、


 ・・・C
......[]

()  電磁力Fに逆らってする単位時間あたりの仕事は、
......[]

()  単位時間に両金属棒に発生するジュール熱の和は、

 (ここでCを用いる)

......[
]

()  電源が単位時間あたりにする仕事は、Cを用いて、
......[]

() 
......[]


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