キルヒホッフの法則    関連問題

1法則
:回路中のある節点に流入する電流の和と流出する電流の和は等しい。
2法則:回路中の閉回路において、起電力の総和電圧降下の総和は等しい。

電気部品を接続してできるまとまりを
回路と言います。回路の中で電気部品と電気部品を接続している点を節点、節点と節点の間の部分を電気部品を含めて分枝と言います。
電気回路の中で、ある部品から出発して途切れることなく回路の結線をたどってもとの部品に戻ってくるとき、この道すじを
閉回路と言います。

電気部品に
電流が流れるとき、電流は電位の高い方から低い方に向かって流れます。分枝を電流の流れる方向に進むとき、下がった分の電位差電圧降下と言います。電圧降下電位が下がるときに正です。
電池のように、
電流を供給する能力をもつ電気部品両端の電圧起電力と言います。起電力が正のとき、電流の流れる方向に進むと、起電力分だけ電圧が上昇します。

閉回路中の
抵抗に、閉回路を回る向きに電流が流れるとき、電圧降下は正です。抵抗に、閉回路を回る向きと逆向きに電流が流れるとき、電圧降下は負です。
電圧降下の絶対値はオームの法則により電流の大きさと抵抗値をかけたものになります。

コンデンサーの場合は、正電荷を蓄えている極板が高電位で、負電荷を蓄えている極板が低電位なので、閉回路を回る向きが、正電荷を蓄えている極板から負電荷を蓄えている極板に向かうならば、電圧降下は正です。負電荷を蓄えている極板から正電荷を蓄えている極板に向かうならば、電圧降下は負です。

コイルの場合は、閉回路を回る向きに流れる電流増加するとき、これを妨げる向き(もとの電流と逆向きの電流を流そうとする)起電力が発生します。このとき、閉回路を回る向きに高電位から低電位となります。これを起電力と考えるなら電圧降下と考えるならです。
閉回路を回る向きに流れる
電流減少するとき、これを妨げる向き(もとの電流と同じ向きの電流を流そうとする)起電力が発生し、閉回路を回る向きに低電位から高電位となります。これを起電力と考えるなら電圧降下と考えるならです。

電気回路の中では、
電流は蒸発したり消えてなくなったりせずに、どこまででも流れていきます。従って、ある分枝に沿って節点に流れ込んだ電流が、別の分枝からそのまま出て行くことになるので1法則が成立します。
なお、
電流が節点に流れ込み、電流が節点から流れ出す場合、と考えるときには、
という式を立てます。
流入する
電流を正、流出する電流を負として、と考えるときには、
という式を立てます。
節点に、流入あるいは流出する
電流,・・・,があって、電流流入するとき流出するときとする場合には、第1法則を、
と表すこともできます。この書き方をする場合には、第1法則は、「回路中のある節点に流入する電流の総和はゼロ」という言い方になります。

ある節点から出発して閉回路に沿って一周すると、途中で
電位が高くなったり低くなったりしながらもとの電位に戻る、つまり、起電力どうし、電圧降下どうしを加え合わせると、双方の和が一致するというのが2法則です。

キルヒホッフ第
2法則では、閉回路を一周するとき、各分枝の電圧降下,・・・,起電力,・・・,として、
という式を立てます。

キルヒホッフの法則を用いて回路の問題を解く場合には、第
1法則と第2法則の式を電流、電圧などの未知数の個数分だけ書いて、連立方程式を解くことになります。
どの節点に着目するか、どの閉回路に着目するか、ということに工夫を要する入試問題も見受けます。
2法則の式を、考え得る閉回路全てについて書き下すと、未知数の個数を上回る式ができてしまうことがありますが、そのときは、式1と式2から式3が導けてしまう、というようなことになっているのです。着目する節点、閉回路をうまくとる必要があります。

 右図の回路で、抵抗はすべて抵抗値rの抵抗、回路に流れ込む電流iとして、AI間の合成抵抗を求めてみます。こうした回路では、分枝の一つずつに電流の値を設定せずに、回路の対称性をうまく活かして立式します。
ABADFIHI電流は、回路の対称性より等しいので、これをとします。
BEDEEFEH電流も、回路の対称性より等しく、これをとします。
BCFDGH電流も、回路の対称性より等しく、これをとします。
節点
Aにおいて、キルヒホッフ第1法則より、
 ・・・@
節点Bにおいて、キルヒホッフ第1法則より、
 ・・・A
BCFEBの閉回路にキルヒホッフの第2法則を適用すると、
 ・・・B
未知数3個で式が3本できたので連立して解きます。
@より、
Bより、
Aに代入して、
よって、
ABCFIの電圧は、
AIを流れる電流iなので、AI合成抵抗は、オームの法則より、です。



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