静岡大物理'10[2]

電流と電圧の関係が図1で表されるような電球がある。ここで、電圧と電流の間の関係式は、
() ()
と表され、また、電球の明るさはその消費電力に比例するものとする。この電球と、起電力,内部抵抗の電池を用いて回路を作った。以下の問いに答えよ。ただし、数値は有効数字2桁で答えよ。

1 図2のように、この電球を電池1個につないだとき、電球に流れる電流を求めよ。

2 図3のように、電池2個を並列につないで電源とし、これに電球をつないだ。このとき、電球に流れる電流を求めよ。

3 「電流と電圧の関係が図1で表されるような電球の場合、2個の電球の明るさが同じとき、電球の電圧、電流はそれぞれ等しい」ことを説明せよ。

4 図3の回路について、新たに抵抗をつないで図2の電池1個の場合と同じ明るさになるようにした。
(1) 4のように抵抗をつないだとき、抵抗の大きさを求めよ。
(2) 5のように抵抗をつないだとき、抵抗の大きさを求めよ。

5 この電球2個と電池1個、および抵抗を用いて、図6のような2通りの回路ABを作った。回路Aと回路Bの電球の明るさが同じとき、抵抗の大きさを求めよ。ただし、途中経過を説明しながら記述すること。

解答 電池や非線形抵抗が直列になったり並列になったりするので、解けるのだろうか、と、思ってしまいますが、本問では、解けるようにうまく工夫されています。

1において、のとき、与えられた関係式より、です。

1 電球両端の電圧とすると、起電力,内部抵抗による電圧降下 (オームの法則を参照)なので、キルヒホッフ第2法則より、

 ・・・@
とすると、より、
このとき、より、
......[] (を満たす)
@より、このときです。
注意.とすると、
このときは、より、


よりとなりますが、を満たさないので不適です。
また、@のグラフを図
1に書き込んで交点のVIの値を読むことによっても解答できます。ここでは、あらかじめ、グラフからおよその値を知って、のときの式、のときの式を選んで、数式を用いて解答するのがよいでしょう。

2 同じ電池が並列になっていると、同じ電流が流れ、1個の電池に流れる電流となり、内部抵抗による電圧降下です。電球両端の電圧とすると、キルヒホッフ第2法則より、

 ・・・A
とすると、より、
このとき、より、

を満たすので、 ......[]
Aより、このときです。
注意.とすると、
このときは、より、
よりとなりますが、を満たさないので不適です。
また、Aのグラフを図
2に書き込んで交点のVIの値を読むことによっても解答できます。

3 2個の電球の明るさが等しいとき消費電力も等しくなります。
()のとき、
()のとき
 (2次関数を参照)
消費電力Pは、において、I単調増加関数なので、消費電力Pが等しければ、電球の電流Iも等しく、さらに、電球の電圧Vも等しくなります。

4 問3より、電球の電流電圧です。
(1) 電池1個に流れる電流は、問2と同様に考えてです。内部抵抗の電圧降下抵抗電圧降下なので、キルヒホッフ第2法則より、
......[]
(2) 抵抗に流れる電流,電球と抵抗が並列になっているので、両者の電流を合わせて、,電池1個に流れる電流は、キルヒホッフ第2法則より、

......[]

5 問3よりABで電球の電流電圧は同じ値になります。電球の電流電圧とします。
Aでは、抵抗,また、内部抵抗に流れる電流です。キルヒホッフ第2法則より、
 ・・・B
Bでは、抵抗,また、内部抵抗に流れる電流です。キルヒホッフ第2法則より、
 ・・・C
2−Cより、

このとき、与えられた関係式より
Bより、
......[]

追記.せっかくなので、問5の値が与えられていて、電球の電流電圧を求めることを考えてみます。
5Aで、だとします。Bは、
になります。このグラフを図1に書き込んで、交点のVIを読めば、電球の電流電圧を求めることができます。
数式でやるのなら、このときは、なので、として、
より
5Bで、だとします。Cは、
になります。このグラフを図1に書き込んで、交点のVIを読めば、電球の電流電圧を求めることができます。
この場合も、なので、として、
より
非線形抵抗が直列や並列になっていても、
1個のときと同様に解答できることを覚えておいてください。


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