東工大数学'11前期[4]

平面上に一辺の長さが1の正方形DおよびDと交わる直線があるとする。この直線を軸にDを回転して得られる回転体について以下の問いに答えよ。
(1) Dと同じ平面上の直線Dのどの辺にも平行でないものとする。軸とする直線はと平行なものの中で考えるとき、回転体の体積を最大にする直線はDと唯1点で交わることを示せ。
(2) Dと交わる直線を軸としてできるすべての回転体の体積の中で最大となる値を求めよ。


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解答 難問です。

(1) 右図のように、直線と平行にx軸を引き、頂点の1つが原点Oであるような、1辺の長さ1の正方形OABCを考えます。
直線OAの傾きをm ()として、その方程式は、 ・・・@
直線
BCの方程式を、 ()として、原点と直線BCとの距離は1なので、
 (点と直線の距離を参照)
より、
直線
BCの方程式は、 ・・・A
直線
OCは、直線BCと垂直なので、直線OCの傾きは(直線の平行・垂直を参照)、その方程式は、 ・・・B
A,Bを連立すると、
,Bより、
よって、
Cの座標は
直線
ABの方程式を、 ()として、原点と直線ABとの距離は1なので、
より、
直線
ABの方程式は、 ・・・C
@,Cを連立すると、
,@より、
よって、
Aの座標は
A,Cを連立すると、

よって、
Bの座標は
ここで、図形の存在範囲の左端
Cx座標を,右端Ax座標をとおきます。
また、辺
BC,辺ABを表す関数を,辺OC,辺OAを表す関数をとします。つまり、
のとき、Aより、
のとき、Cより、
のとき、Bより、
のとき、@より、
正方形
OABCy軸方向にだけ平行移動させてx軸の回りに回転させることにより、正方形Dを直線と平行な直線のまわりに回転させるのと同一の状況を考えることにします。つまり、x軸の回りに回転させる、と考えます。
対称性より、
kについては、 (は、By座標の),また、mについては、Cy座標がAy座標よりも大きくなる範囲、,つまり、の範囲で考えれば十分です。
(i) のとき、回転体の体積は、
 ・・・D
(ii) のとき(右上図緑色線)
方程式は、1実数解の範囲に1実数解をもちます。
このとき、においては、回転体はを回転したものからを回転したものを取り除けば良いのですが、においては、の大きい方を回転することになります。
だとすると、
そこで、右上の図に、のグラフ
(青色線)を加えておきました。このグラフは、のところとのところで折れ曲がります。
のときにはより、なので、回転体の体積は、
の差を考えます。

 ・・・E
ここで、Eのうち、における定積分の被積分関数について、
 ・・・F
よって、
 ・・・G
 ・・・H
Eのうち、における定積分の被積分関数について、この範囲では、なので
 ・・・I
よって、
これと、G,Hより、 ・・・J
(iii) のとき(右上図赤色線)
方程式の範囲に1実数解を持ちます。
方程式の範囲に
1実数解を持ちます。
方程式の範囲に
1実数解を持ちます。
において、,つまり、
において、,つまり、
これより、回転体の体積は、


 ・・・K
このうち、における定積分の被積分関数は、F,Iと同様にして、0以上の値をとり、しかも「恒等的に0」ではないので、

Kのにおける定積分の被積分関数について、この範囲では、なので、
 ・・・L
また、Kのにおける定積分の被積分関数については、この範囲ではとなり、のときと同じようには行きません。この定積分は、m0に近くkに近いと、被積分関数が負になることがあります。
における定積分は、なので、Kのにおける定積分では、における定積分は、における定積分から引くのではなく、における定積分から引くことにします
(きわどいところから引くのではなく、余裕のあるところから引く)において、Kの定積分の被積分関数の後ろ2項について、

において増加関数なので、xとして、
()
より、
 (置換積分をしている)
 ・・・M
なので、Kのの部分の定積分、
 ()
のうちの一部を借りてきて、これとMとの和をとると、
この被積分関数は、
より、
 ・・・N
問題は、という積分範囲が、の積分範囲に含まれるか、ということですが、直線ABにおいてとすると、となり、ですが、なので、


 ()
より、であって、積分範囲は積分範囲に含まれます。以上より、Kは、




以上より、
(iv) のとき(右上図の橙色線)
方程式の範囲に1実数解を持ちます。
方程式が、
1実数解1実数解の範囲に1実数解を持ちます。
方程式の範囲に
1実数解を持ちます。
において、,つまり、
において、,つまり、
これより、回転体の体積は、




 ・・・O
このうち、における定積分の被積分関数は、F,I,Lと同様にして、0以上の値をとり、しかも「恒等的に0」ではないので、




Oのにおける定積分は、(iii) における定積分と同様に、上記と同じようにはいかないので、における定積分と合わせて考えることになります。,また、としてより、Nを導いたのと同様にして、

(i)(ii)(iii)(iv)より、回転体の体積はのとき最大で、軸とする直線はと平行なものの中で考えるとき、回転体の体積を最大にする直線はDと唯1点で交わります。

(2) (1)より、mを固定して考えるとき、回転体の体積の最大値は、
それぞれの定積分は、円錐、あるいは、円錐台の体積として、




これをとおくと、において、
 (商の微分法を参照)
 (関数の増減を参照)
よって、は増加関数で、
すべての回転体の体積の中で最大となる値は、
......[]


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