慶大理工数学'10[A3]

座標平面上において、以下の設問(1)(2)(3)のように図形Sと点Pを考える。図形S上を点Qが動くとき、線分PQの長さの最小値をと表す。
(1) 方程式の表す図形をSとする。点Pについてである。また、を満たす点P全体が描く図形は、不等式
の表す領域と一致する。
(2) 方程式の表す図形をSとする。点Pについてである。また、を満たす点P全体が描く図形の面積はである。
(3) 2つの式
の表す図形をSとする。を満たす点P全体が描く図形を図示しなさい。

解答 論述式であれば、どう論述するか悩む点があるかも知れませんが、空所を補充して図形を図示するだけなので、わざわざ面倒なことを考える必要はないでしょう。

(1)() Pと直線上を動く点Qとの距離の最小値は、点Pと直線との距離にほかなりません。点と直線の距離の公式より、
......[]
()() を満たす点Pは、直線との距離が1以下となる点で、

絶対値を外すと、
 (不等式と領域を参照)

(
) 3 () ......[]

(2)() Pと円周上を動く点Qとの距離の最小値は、点Pと円周の中心との距離から円周の半径を引いたものに等しく、
......[]
() を満たす点Pは、円周上の点から距離1以下の点ですが、点Pが描く図形は、原点を中心とする半径の円周から外側であって、かつ、原点を中心とする半径の円周から内側となる図形で、その面積は、
......[]

(3) 図形Sx軸の原点から右の部分です。を満たすのは、かつとなる部分、または、原点を中心とする半径1の円の内側となる点で、図示すると右図黄緑色着色部(境界線を含む)

追記.論述する場合には、媒介変数表示を利用するのがよいでしょう。
(1) Pについて、直線上の点をQ (tは実数)として、線分PQの長さは、


 (等号成立はのとき。2次関数の最大最小を参照)
より、
Pのとき、
のとき、
(2) Pについて、円周上の点をQ ()として、線分PQの長さは、
 (三角関数の合成を参照)
 (等号成立は、のとき)
より、 (原点とPとの距離から半径を引いたもの)
Pのとき、
のとき、 ∴
(3) S上の点はQ ()と表せます。Pのとき、線分PQの長さはです。より、
(i) のとき、線分PQの長さは、のときに最小値
(ii) のとき、線分PQの長さは、のときに最小値
よって、を満たすのは、
(i) のとき、,即ち、
(ii) のとき、,即ち、

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