弘前大数学'10年後期[3]

放物線x軸で囲まれた領域をとする。直線に関してと線対称な放物線をとし、y軸で囲まれた領域をとする。の共通部分の面積を求めよ。


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解答 ‘07年東京海洋大、'93年早大教育でも出題された定型パターン問題です。
定積分公式 ・・・()
のありがたさがしみじみわかります。
本問では交点の座標が整数なので、下手な計算をしても最終解答にたどりつけますが、交点の座標に根号が入る場合もあるので、必ず以下の解法で解答するようにしましょう。


 ・・・@
 ・・・A

まず、の交点を求める必要があります。@,Aを連立して、@のyの式をAのyに代入するとx4次方程式となって大変です。は直線に関して対称な放物線なので、交点が存在すれば直線上にも交点が来ます。であれば、@,Aを連立するのではなく、@とを連立すれば(2次方程式になります)直線上に来る交点を2つ求めることができるでしょう。ですが、@,Aを連立して4次方程式になるということは、もう2交点あるかも知れません。そこで、@−Aを作ってみます。3が消去されて、残りの項はどれもを因数にもつ(直線上に交点が存在する)ことに注目します。@−Aより、

または
@において、とすると、


のときのときです。
@において、とすると、



のときのときです。
の位置関係を図示すると右図のようになっています
(面積を求めるの共通部分は黄緑色着色部)
が直線に関して対称なので、の共通部分も直線に関して対称で、求める
面積は、直線と、の部分と、の部分、に囲まれた部分の面積S2倍になります。
ここで、極力、上記の公式
()を用いて簡単な計算で解答することを目指します。
直線
(右図緑色の直線)で囲まれる部分(の範囲に存在します)の面積をを結ぶ直線 (右図青色の直線)で囲まれる部分の面積をで囲まれる部分の面積をとすると、
です。が直線に関して対称であることから、は、を結ぶ直線 (右図赤色の直線)で囲まれる部分の面積に等しく、こちらの面積として計算することにします。
 (直線で交わることに注意)
 (直線で交わることに注意)
 (直線で交わることに注意)

求める面積はこの2倍で、 ......[]
追記.公式()の使用を邪道だとして、ことさらに嫌う先生もいます。ですが、習得するのが困難な計算技巧ならともかく、便利に使える公式の使用を避ける方が邪道と言うべきです。'99年に東大が加法定理の証明を出題しましたが、東大の大問にもなるような証明を一々しなければ加法定理を使えない、というのでは科学の進歩にブレーキをかけるようなものです。人類の進歩とともに確立された科学技術の利便性は享受すべきであって、環境対策のために縄文時代人の生活をすべきだ、などというのはナンセンスです。先人が創意工夫を凝らし丹精込めて制作開発した伝統文化・科学技術は素直に継承して積極的に利用するべきです。


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