因数定理
関連問題
剰余の定理
:多項式
を
で割ると、余りは
[
証明
]
多項式
を
で割ったときの商を
,余りを
R
とします。
1
次式で割るので、余りは定数です
(
多項式の除算
を参照
)
。
このとき、
ここで、
とすると、
よって、多項式
を
で割ると、余りは
(
証明終
)
例
1
.多項式
を
で割ると
3
余り、
で割ると
余るという。
を
で割った余りを求めよ。
[
解答
]
を
で割ると
3
余るから、
・・・@
とおけます。
を
で割ると
余るから、剰余の定理より、
です。
@において、
とすると、
∴
これより、
を
で割ると
2
余るので、
とおけます。
これを@に代入すると、
よって、
を
で割った余りは、
......[
答
]
[
別解
]
を
2
次式
で割った余りは
1
次式なので、
とおくと、
・・・A
を
で割ると
3
余るので、Aで
として、剰余の定理より、
・・・B
を
で割ると
余るので、Aで
として、剰余の定理より、
・・・C
B−Cより、
∴
Bより、
これより求める余りは、
......[
答
]
多項式
を
で割ったときの商を
,余りを
R
として、
ここで、
とすると、
即ち、多項式
を
で割ったときの余りは、
です。
因数定理
:多項式
が
で割り切れる
⇔
[
証明
]
剰余の定理より、
を
で割ったときの余りは
割り切れるとき、余り
逆に、
のとき、
を
で割ったときの商を
として、
よって、
は
で割り切れます。
(
証明終
)
因数定理を用いて、因数分解する方法を考えます。
多項式:
について、
であれば、
で割り切れるので、
の
x
に適当な数値
a
を代入して、
となるものを探します。
無方針に探してもなかなか見つからないときもあるので、
の定数項を
c
,最高次の項の係数を
d
として、
c
の約数を分子、
d
の約数を分母とする分数を
a
として、
を計算し、
となれば、
は
で割り切れます。
例
2
.
を因数分解してみます。
定数項の
36
の約数は、
1
,
2
,
3
,
4
,・・・
最高次の項の係数
4
の約数は、
1
,
2
,
4
まず
1
を分母にするものから、
1
,
2
,
3
,・・・,と順に代入していきます。
より、
は
で割り切れません。
より、
は
で割り切れません。
より、
は
で割り切れます。
を
で割りますが、
1
次式で割るときの割り算は、右図のように組み立て除法によるのが便利です。
を
で割るので、まず、割られる式の係数を抜き出して書き、
3 (
x
から引く数
)
をどこかに、見間違いをしないように書きます
(
図
1)
。
4
の下に
0 (
最初は
0
です
)
を書き、
4
と
0
の和
4
をその下に書きます
(
図
2)
。
先の和の
4
と
3
をかけた
12
を
0
の下に書き、
0
と
12
の和
12
をその下に書きます
(
図
3)
。
先の和
12
と
3
をかけた
36
を
の下に書き、
と
36
の和
17
をその下に書きます
(
図
4)
。
先の和
17
と
3
をかけた
51
を
の下に書き、
51
と
の和
12
をその下に書きます
(
図
5)
。
先の和
12
と
3
をかけた
36
を
の下に書き、
と
36
の和
0
をその下に書きます
(
図
6)
。
最後の
0
が実は多項式の除算の余りです。余りがあれば
0
になりません。この
0
を除いた残りの、
4
,
12
,
17
,
12
は商の各項の係数です。
従って、商
は、
となります。
の因数分解を考えます。
の
x
に正数を代入しても
0
にならないのは明らかです。
x
に負数を代入していきます。
,
,
,・・・
そこで、分母を
2
にしてみます。
,
これより、
は
で割り切れます。このときの組み立て除法は、
で割ると考えて右下図のようにやります。
商は、
となり、
と因数分解されました
(
は実数の範囲では因数分解できません
)
。
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